デフオイルの交換の重要性についてと、現在のカプチーノデフを取り巻く状況についてのブログです。

 

エンジンやミッションと比べて、交換サイクルの設定が難しいデフオイルについて、使用ステージやオープンデフorLSD装着車両、純正トルセンLSDorアフターマーケット製LSD等、最適なオイル交換サイクルは車両によって様々です。

ヴァケラッタではデフオイル交換時に抜いたオイルの劣化具合を確認して、車両に応じた交換サイクルのご提案、距離の伸びないオーナー様には交換忘れが無いように1年点検又は車検事等の決め事として習慣付けして頂くことをお願いしております。

落とし穴としては機械式LSD以外はオイル交換は重要でない等の誤った情報を鵜呑みにして、交換時期を逃して使用してしまう事です。

案内が無ければ交換は行わないというユーザー様や、申し出ないと交換の案内を行わない作業者もおられるようです。

オイル劣化により動力性能に直結するエンジンフィールやシフトフィールの低下が起こるミッション等と違い、デフオイルの劣化は体感しにくいのでわからなくもないのですが、ギアやベアリング等の保護性能が低下した状態で使用を続けると駆動の唸り音やベアリング不良による回転異音が発生することがあります。

実走行において走行不能や振動等が発生することは殆どなく、若干の唸り音もカプチーノはこんなもの?と乗り続けられている方も少なくないのではないかと思います。

状態の良いデフも調子の万全ではないデフもコンディション維持の為にはオイル交換が基本です、前回いつデフオイル交換したかな?という方は今すぐオイル交換をオススメします。

 

 

なぜデフオイルの話を?というと、現在お預かり車両のデフオーバーホール作業で少々嵌ってしまった為です。

このご依頼が駆動時の唸り音が気になっているというものでした。

昨日オーバーホールを完了して車両へ搭載、本日納車の予定でしたが、試運転で唸り音の解消が出来ていなかった為、お預かり期間の延長をお願いして、やり直しをさせて頂くこととなりました。

先の作業時にはベベルピニオンの突き出しやサイドシム調整で各ベアリングのプリロードやバックラッシュは規定値内に収まっていました、怪しきは歯当たり、事前の試運転でギヤ不良を予測していたのに経験値不足でそのまま組付けしてしまいました。

サイドベアリングのクリアランスも若干規定値を外れ気味ですが、LSD装着車なので、ギヤのみでなくケースも中古品を選定して最もマッチングの良いものを使用して再組立てを行いました。

調整用シム類も豊富に在庫しているので、当然最良な状態を目指して調整します。

その主たるものがバックラッシュと歯当たり調整、バックラッシュは規定値内に調整することは容易です。

問題は歯当たりで、カプチーノ純正の経年馴染み(摩耗)の発生している中古ギヤでマニュアル通りの正常な歯当たりに完璧に調整できることは稀です。

唸り音等の問題が出ていない車両のデフオーバーホールでも同様に歯当たりが完璧に調整しきれず、微妙なものが多いです。

歯の摩耗状態を測定で寸法測定が出来ない為に歯当たりで良否判定するのですが、歯当たり基準での良否判定が非常に難しいです。

ベアリングのプリロード等も複合的に絡んでくるので、調整といえば単純ですが完璧が無く最後は「最もこれぐらい」の手加減で仕上げることになります。

純正部品は製廃で、マニュアルに従ってのオーバーホールが出来ない状況です。

中古部品を使用する場合はヴァケラッタなりの基準を模索しながら、この先も長く現状維持が出来るように良いところを探っていくしかありません。

幸いにもギヤ比変更等で新品ギヤを用いてデフを組む機会も多いので、今後の経験値蓄積でカバーできるよう感覚を磨いていきます。

調整組付けの完了したデフ、ガスケットの万全乾燥の為一晩寝かせて明日搭載予定です。

今回は間違いない筈ですが、試運転を行うまでの間、最後は願うしかありません、バッチリ決まっていますように(笑)

オーナー様、工期の延長をご承諾頂きまして有難うございます。

 

今後はミッションのように現行新品ギヤを用いてのリフレッシュも積極的に案内していきたいところです。

ギヤ以外にもデフの交換も必要なのでコスト高にはなりますが、有限な中古部品頼りで微妙な仕上がりか新品部品でバッチリ組み上げ可能かでは後者こそヴァケラッタの考える理想です。

Attack筑波以後、少し余裕が出来てヴァケラッタの提案は一般的なカプチーノユーザーには重いのでは?等と悩んでいましたが、少数の共感して頂けるお客様と、そのカプチーノの為に完璧主義に磨きをかけていこうと思います。

カプチーノは実用性ゼロの完全趣味車なのですから、少しのコンディションも妥協無く最良の状態を味わえる方が楽しいに決まっています。

もちろん趣味である以上ランニングコストや「車」としての考え方もそれぞれだと思いますので、お客様に応じて車両維持の方向性は細かすぎて暑苦しいほどご相談させていただきます。

走りもストリートも用途を問わず一生カプチーノを楽しみたい方は、是非ともヴァケラッタにカプチーノを連れてきてください、カスタム・チューニングも大歓迎です。

 

カプチーノメンテナンス情報やカスタム・チューニングの最先端情報はブログで発信させて頂いております、ヴァケラッタを要チェックお願いします。

NO CAPPUCCINO , NO LIFE

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