2018/1/7 業務記録 F6Aハンチングのトラブルシュート

昨日に引き続きトラブルシュートをしました。

只今入庫頂いております11Rで、温間時エンジンがハンチングするというものです。

当店で昨年買取をさせて頂きました11Rも似たような異常を抱えておりましたので、数の力で一気に原因の特定まで進みました。

オーナー様もご自身で色々と試されたようですが、結論から言うとスロットルボディのファーストアイドル機構の不良でした。

 

アイドリングバルブの調整をかなり締めこんでも暖気後にエンジン回転が落ち着かないという二次エアを吸っているような様子でしたが、外部よりの二次エアではなかったため、スロットルボディを疑いました。

当店の11Rも同じくスロットルボディが怪しいと昨年に故障個所推定まで進んでおりましたので、データ収集も兼ねて合わせて修理しました。

まずは不良らしきスロットルボディを取り外します。

他から正常動作であったスロットルボディを二個用意してそれぞれを、同一温度でのファーストアイドルバルブの開き具合を測定しました。

正常らしきスロットルボディの二個がバルブを全閉する温度で、お客様のスロットルボディはまだ開いていました。

上限は90℃まで測定いたしましたが、お客様のスロットルボディは全閉になることなく、サーモワックスの作動量の不良でした。

 

また、当店の11Rは温度に対して全く変化がなく、固着か?と思ったのですが、バルブを分解してみるとサーモワックスのプッシュロッドがありませんでした。

このスロットルはビッグスロットル加工がされておりまして、推測するに作業者様の組付け忘れであると思われます。

このようなことは滅多にないと思いますが、分解歴のある部品は例え市販パーツであっても自身で組み立てた物以外は、構成部品の最小単位まで疑ってかからないとわからないものです。

こちらはプッシュロッドを組付ければ正常作動しました。

 

作動不良であったお客様の11Rには比較の実験台となったスロットルボディを借組みして、動作確認です。

無事二台とも暖気後のハンチングは収まり、安定動作となりました。

 

他にも御用命箇所が御座いますので、本日の診断内容を踏まえて近日中にご連絡させて頂きます。

 

F6Aのハンチングやアイドル不良といえばISCV等の電気部品を疑いがちですが、車齢を考えると機械的にも電気的にもどこが壊れていてもおかしくないです。

アイドルが不安定であったり、なんだか微妙な車両は各デバイスの少しずつのズレで症状に表れているケースが多い気がいたします。

回は明確な患部に辿り着けまして一安心です。

専門店として、曖昧で表面的な整備ではなく、核心を突いた誤診のない整備を提供できるよう日々整備士力も鍛えさせて頂いております。

 

明日も頑張ります。

 

 

 

 

 

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