GW後半はニ柱リフトの修理を行いました。
ビシャモンのSP-2500という機種で昭和49年製造の製品です。
以前より作動油のオイル漏れがあったのですが、今年に入ってからいよいよ本格的に漏れが酷くなり使用できない状況になっておりました。
修理業者に問い合わせるもメーカーからのオイルシール等の供給が終了しており修理不能との回答、部品はインターネットでリペアキットが販売されていたので休業期間を利用して修理しました。
整備書やパーツリスト無しで作業したため、正しい手順では無いと思われますが、似たような状況の方のお役に立つかもしれないので整備記録を残しておきます。
まずは当然ですが作動油を抜きます。
以前ペンズオイル仕入れ元の営業マンの方に「作動油にATFを使うとオイルシールのシール性能が復活することがある。」という助言を頂いたため、ATFを使用していたので赤い色がついています。
作動油が抜けたら、チェーン、ワイヤーを取り外します。
事前にWEBで情報収集しておりましたが、同じ型式でも形状等が年式により違うようで、この個体ではスペース的にシリンダー奥の固定部分でしかチェーン固定用のピンが抜けませんでした。
チェーンやワイヤーを外したらアームごとシリンダーが取り外しできる高さまで持ち上げます。
当工場では丁度真上に天井の梁があったのでそこからチェーンブロックで引き上げました。
画像ではシリンダー土台固定ボルトを取り外していたのでシリンダーが前傾していますが、結果的には土台は取り外しませんでしたので、この時点ではシリンダー固定ボルト関係はまだ外さなくて大丈夫です。
続いては作動油配管の取り外しを行います。
画像で見えている側はシリンダー側面のバイパス配管もこの時点で取り外します。
画像が有りませんが、柱背面のサービスホールからも配管の結合を分離しました、合計二本の配管があります。
また、配管についても取り回しの違う同型機が存在するかもしれませんので、実機をよく観察してみて下さい。
続いてはシリンダーを取り外します。
シリンダー下側から台座とボルトで固定されているので、そこで連結を解きます。
この個体では14㎜キャップボルトが使用されており、プーリとのクリアランスも少なかった為、14㎜ヘキサゴンレンチを適当な長さに切断して14㎜のメガネレンチを使用して取り外しました。
シリンダーが外れたら分解してシール類の交換を行います、分解すると内部から結構な量の作動油が漏れ出します。
オイルの池が出来てしまい処理していたので画像を撮っていませんでしたが、単純な構造ですので分解は容易かと思います。
シリンダーが分解出来たらピストン部分のパーツを取り外しシール類を新品交換します。
古いシールは粉々になったりゴムの硬化が激しく、取り外し時に割れてしまいました。
シリンダー内壁には錆による腐食が御座いました。
この状態でも作動油漏れ以外の作動には支障がなかったので、気休めにホーニングを行い浮き錆を落としておきました。
内部の洗浄等を行った後、各部に注油を行いつつ元通りに組み付けます。
その後逆の手順で全ての部品を元通り組立て、作動油を充てんしたら修理完了です。
各部品は非常に重く、危険な作業ですので整備される場合は自己責任にて特に気を付けて作業してください。
当記事を見て作業された場合に起こった事故等につきましては一切の保証はできません。
無事にリフトの修理も完了して、工場内の整理も行いましたので、明日からまた気合いを入れて活動させて頂きます。
今後ともヴァケラッタをよろしくお願いいたします。