本日は昨日から引き続きステアリングユニットのメンテナンス作業を行いました。

ラック&ピニオンのコンディションが悪かった為中古品で状態の良好なものを選別して交換しました。

ギヤケースも錆があった為ホーニング・リペアを行いました。

その他は新品部品を使用して最良な仕上がりです。

車体に取り付け、ステアリングセンターやトー等の調整を行って完了です。

 

ここからは余談ですが、随分以前に記事にしたことがあったのですが、ステアリングラックダンパの素材違いによる不具合を再公開します。

この部品はステアリングラックに掛かる力を吸収するために設けられており、ラックギヤとピニオンの噛み合い部に反対側から押さえつける力を掛けている部品です。

この部品が厄介で、純正では金属製の部品なのですが、どういった訳か樹脂製の物が存在します。

恐らくはリビルト品等の安価なリペアパーツとして組立て時に使用されるのだと想像しますが、これが色々な不具合を誘発します。

ヴァケラッタで分解したステアリングユニットの中から出てきたものでは樹脂製で黒色のものと赤色の物を確認しております。

黒いものは摩耗による痩せが激しくガタの発生が見受けられるものが多いです、摩耗により変形を起こしてうまく摺動できなくなっているものも見たことがあります。

赤いものは黒いものに比べて摩耗を起こしているものは少ない印象ですが、熱膨張なのか変形なのか、ケースにかじり付いてしまい作動不良を起こしていることが大半です。

一方で金属製のラックダンパはブーツ破れ等のきっかけで錆が発生する可能性は有りますが、上記のような作動不良は確認したことがありません。

純正部品の品番はカプチーノ専用品番ではないので、もしかしたら純正でも樹脂製部品があるのかもしれませんが、いずれにせよこのような部品を使用することはメンテナンスという名の改悪です。

 

ヴァケラッタでは安価なリビルト品を扱ったことがないので、どういう経緯でこのような部品が使用されることがあるのか正確なところは不明ですが、安い製品にはそれなりのリスクがあります。

世の中に流通する格安リビルト品の価格は消耗部品代すら全うできない価格の商品が少なからず存在します。

ヴァケラッタでもリビルト品を使用してのメンテナンスをご提案することは多いのですが、エンジンやミッション、今回のステアリングユニットのようにリビルトをオススメしない部位も多く存在します。

リビルト品の大半は交換後、もともとの部品をコアとして提供するものが大半です。

業者の立場で見れば車齢を考えると再使用できない程のコンディションのコアが返ってくることも多いと思います。

そこで真っ当なリビルト業者であれば【製品の取り扱いを終了】となるわけですが、コンディションの悪いコアでもうまくリビルトして販売されることがあります。

ここでいううまくとは【グッドコンディションに仕上げる】とは違い、【動く商品に仕上げればいい】という考えに近いので部品ライフは短い場合もございます。

金額に釣られて安いリビルト品を用いてメンテナンスを行い、現物をメンテナンスした方がはるかにコンディションの良い部品をコアとして差し出してしまう、こういう可能性を十分にご承知おき頂き愛車のカプチーノと今後の付き合い方の一考材料にして下さい。

安さの魅力は十分に理解できるのですが、カプチーノはすでに半端な維持コストでは車両がボロくなっていくばかりの年式になっています。

たまにあるのですが、維持費が高くまともなメンテナンスを行うことが難しくなった時点でカプチーノライフは落ち目です。

そうなってしまうとカプチーノは全く楽しくない車に変貌してしまいますが、【楽しかった思い出】による補正でだらだらと所有してしまいがちです。

ただし、時とは非情なもので、メンテナンスの機会を与えられないカプチーノはどんどんボロくなって、どんどん楽しくなくなってしまいます。

最終的にはカプチーノが楽しかったから頑張っているのにボロくなっていく楽しくないカプチーノの奴隷となってしまうわけです。

そんなときはカプチーノとの付き合い方をよく考えて下さい。

今後カプチーノの維持コストはこれまで常識を遥かに上回ってきます、コストをケチって好きだったカプチーノを殺してしまっていないか振り返ってみて下さい。

業者は商材となるうちは取り扱い続けます、【ただの商売】でカプチーノを扱っている業者によって良い状態の部品が食いつぶされることは面白くありません、各ユーザー様それぞれ維持に関する事情はあると思いますが【需要】についてよく考えてみてください。

ちょっと愚痴っぽくなってしまいましたが、ヴァケラッタではそれだけカプチーノへの思い入れは強いです。

他の車種で同様の事例があってもなんとも思いませんが、カプチーノを食い物にされることは許せません。

ミーハーな気持ちではなくカプチーノに惚れ込み、永く乗りたいと考えるオーナー様は、一台でも多くのカプチーノを程度よく後世に残したいと考えるユーザー様は是非ともヴァケラッタに大事なカプチーノをお任せ下さい。

もちろんただただカプチーノを楽しみたいという要望にもお答えいたします、拘りのヴァケラッタをよろしくお願いいたします。

 

それでは本日も有難うございました。

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