エアコンの季節がやってきました。

カプチーノのエアコンにはR12とR134aという二種類のガスの仕様が存在します。

俗にいう旧ガスと新ガスというやつでEA11Rの途中でR12からR134aに変更されています。

環境問題から既にR12エアコンガスは製造されておりません、R134aも既に最新のエアコンガスという訳ではありませんがまだまだ入手可能です。

R12車両でもいくつかの部品交換作業を行って、R134aを使用可能にすることが可能です。

まずはエアコンコンプレッサーの交換、R12ガス用のボディでも内部オイルをR134a対応の物へ変更したものを使用します。

続いてエアコンコンデンサとレシーバも同時交換します。

内部のオイルをR12用のオイルからR134aガス用のオイルへ変更することでR134aガスの使用が可能ですが、この辺りは冷却性能に直結、取付場所的にダメージの入っていることが多いです部品なので、オイルと合わせて交換してしまいます。

その他の部品は気密や作動、内部の汚れ等のコンディション次第ですが再使用することが多いです。

最後にガスの注入口にレトロフィットというR134aガス用の口に変換する部品を取り付けてコンバート完了です。

R12ガスにしてもR134aガスにしてもガス漏れがある状態でシーズンの入りにガス補充されている車両があります。

カーエアコンのコンプレッサ潤滑はエアコンシステム内をガスと合わせて循環しているオイル頼りな為、ガス漏れがあるとコンプレッサの潤滑不良による故障の原因となります。

多くのガスの補充が必要となるほどの漏れがある場合は修理してください、その際は様々なメリットのあるR134aガスに変換整備がオススメです。

R12ガスの方が冷えるという話がありますが、R12ガスに比べてR134aガスの方がオイルとの混合性が悪く、ガスと分離したオイルや不純物がコンデンサ等のエアコンシステム内部に付着してしまうことによる熱交換効率が悪くなることが原因です。

両ガス共にオイル混合性以外の差は殆どないのですが、上記の原因から熱交換性能に影響が出る事があります。

そこで、ワコーズのパワーエアコンの出番です。

パワーエアコンはR134aガスとオイル等の混合性をよくする成分が入っており、分離してシステム内壁に付着したオイル等がガスと混ざり合って循環してくれることで熱交換性能を阻害することなく冷えが回復します。

密閉の良いエアコンシステムでも軽微のガス(オイル含)の減りは起こってしまいますので、少量のガスとオイル等の補充もできるのでエアコンシステムのコンディションを保つ効果があります。

オイルやガスの減りの量については正確なところは不明ですが、メーカーの話によると年に1本程度の補充で良いだろうとのことで、ここ数年手持ちの車両で毎年補充しており、全車調子は良好です。

R134aガスにしか使用できませんが、エアコンの稼働率の上がるシーズン入りにはワコーズパワーエアコンの充填がオススメです。

また、エアコンコンプレッサについてですが、新品の供給は終了、リビルト頼りの状況です。

年々とカプチーノ用のコンプレッサの取り扱い業者様が減る一方です、これはコンプレッサロック等の再使用不可部品が増えてリビルト不可となることが主な原因だと思います。

エンジン等と違いオイル交換等を行う事のないセクションですので、多くの車両でなるべく良いコンディションを維持して頂きたいですね。

 

今日もエンジンネタをひとつ。

VA-11R ST用に製作しているF6Aエンジンの燃焼室加工中です。

今回はフルサークル?形状でいってみます。

VA-11R TAではスキッシュ(クリアランス)を変更せずに圧縮比を下げてもデトネーションを起こしていました。

デトネーション発生は毎回インテーク側でしたのでエキゾースト側はスキッシュを残そうかとも考えましたが、燃焼室容積を稼ぎたい狙いもあるのでごっそり粗削りしました。

ここからは容積を測りながら形状を整えつつ鏡面仕上げまで削り&磨き込みます。

工場内の中古エンジン部品を整理ついでにF6Aピストンを洗浄しました、これでピストンブローも怖くありません(笑)

さすがにこれらピストン全てを粗末に壊したくはないので、良い燃焼の手がかりを掴みたいものです。

通常業務とのバランスを崩さない程度に、チューニングを楽しませて頂きます。

皆さまヴァケラッタのカプチーノ活動を支えて頂き本当に有難うございます。

 

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